2012年1月25日 (水)

里見八犬伝は神余から始まった。

1月21日(土)千葉県館山市神余モニターツアーに磯山が参加しましたfoot

エコウォークは「地域の幸せな暮らしを地元のガイドさんが伝える」ガイドウォークです。住んでいる人たちの「誇り」を体験し、次世代に守るべきものを共有し、それを保全する活動に参加もできる楽しいプログラムです。

神余(かなまり)地区は、館山と白浜を結ぶ県道沿いに、市内最大の広さを持つ地区で、周りを山に囲まれた盆地の中にあり、中央を巴川が流れ、その両側には田畑が階段のようになっています。また、古くからの歴史をもつ安房神社ゆかりの八つの地区からなっており、マテバシイをはじめとした自然林、ウドやわらびといった山野草が豊富で、5月にはゲンジボタルが飛び交い、幻想的な美しい自然が見られるそう!自然と文化、歴史と豊かな農産物を併せもつ神余の住民の方たちが中心となって調査をし、考え、作ったエコウォークプログラムです。

それでは、レポートしますねpencil
参加者は館山近郊の方々25人くらいで、皆さん、神余を応援していらっしゃいました!

ガイドは、NPO安房文化遺産フォーラムの中屋勝義さんです。

Jpeg

中屋さんは館山市博物館で「ミュージアムサポーター絵図士」として地域文化財を探訪するための地図と解説をつけた「歴史散策マップ」を制作していて、絵がとっても上手なのです!
今回の地図も中屋さんが作ってくれました。

いよいよ出発!歴史深い箇所を巡るらしいです。

神余(かなまり)は、「金丸氏」の名からきているそうです。
金丸家は藤原一族の豪族で大和朝廷より東国征伐に派遣された坂本田村麿将軍と共に戦いに活躍したご褒美に神余郷を貰ったそうです。

まず、最初に行ったのは、「金丸城跡」金丸氏が立てた縄張りの城。

金丸氏は平安時代末期に安房国府の役人を勤め、鎌倉時代には源頼朝の御家人になった武士で、戦国時代の初めに里見氏が登場してくるまで、神余を本拠居にして、その周辺に勢力を持った一族で金丸氏の居城だった金丸城跡だと伝えられているそうです。

守りに有利な険しい地形の場所で丘の一角に簡単に敵が攻められないように農業用水路の要害の砦がありました。

Photo

入口の墓地に元禄6年(1693年)の如意輪観音がありました。江戸から運ばれたそうです。16人の女性の名があるので、十九夜・二十夜・二十一夜などの月待ち供養として建てたもので、女性が安産や子育ての無事を願ったものだそうです。女性を大切にした神余の文化を感じますね。

Photo_2

山頂は曲輪(くるわ)になっていますが、周囲を土塁状のもので囲われていて、その下の段に腰曲輪がいくつか造られ、東に続く尾根は堀切で切断されていて、そのむかし城であったことがわかります。
また円形の石積の炭窯がありました。(この炭窯については、反省会のときに地元の方たちが館山にある様々な形状の炭窯について議論されていて、地域資源を熱心に研究されているんだなぁと感心しました。)

ちょっと歴史を解説flair 「房総里見軍記」によれば、嘉吉元(1441)年頃、安房には金丸氏、東条氏、安西氏、丸氏の四氏が分立していたいう。しかし、金丸光孝(景貞)は家臣の山下作左衛門景胤(定兼)の謀反により殺害され、その領地を横領し山下郡と改めた。怒った安西氏、丸氏が金丸城を攻め、山下氏を攻め滅ぼした。しかしこの所領分配をめぐって安西景春と金丸信朝が対立、安西景春は勝山城に身を寄せていた里見義実が手柄を立て、その恩賞として白浜城を与えられたそうです。

次に金丸館跡地を通り、

Photo_3

金丸氏の居館跡といわれている神余小学校へ。

Photo_4

大きな大木のある小学校で、

Photo_5

現在は25人の生徒が通っており、参加者に生徒さんがいらっしゃいました。

向かう途中に気になる門がありました。キレイに手入れされていて、素敵shine

Photo_17

日吉神社

Photo_7

およそ200年前から伝わる神事、「神余かっこ舞」は、毎年7月19・20日に行われる日吉神社の例祭に、雨乞いと五穀豊穣を願い奉納されます。

高校生による3人の男子が獅子頭をかぶり、腰につけた鞨鼓を打ち鳴らし、2匹の雄と1匹の雌が、ゆったりとまた激しく伝統の舞を踊り、その側では4人の女子が雨を表す七色の紙を垂らした花笠をかぶって、カエルの鳴き声を表す「ササラ」を鳴らして祈るそうです。館山市無形民俗文化財になっている伝統ある「かっこ舞」を後世へ継承するために、地元の高校生たちが引き継ぎ積極的な活動が行われているそうです。

2月26日(日)第五回安房の伝統芸能まつりが千葉県南総文化ホールで開催されるそうです。

安楽院跡

大正12年(1923年)の関東大震災で潰れるまで、真言宗の安楽寺があったが、いまは自性院に合併されており、安楽寺は金丸氏に忠義を尽くした家臣のために建てられたそう。墓地には、金丸氏の子孫で江戸時代に神余村の名主や、旧家の墓があって、大日如来を刻んだ寛永10年(1633年)の古い女性の墓石もみることができるらしいです。

Photo_8

塩井戸

巴川の中から塩水が湧き出しているんだそうです。その昔、神余の貧しい家で塩気のない小豆粥でもてなされた弘法大師が、川に下り杖をさして塩水を湧きださせたと伝えられているそう。弘法井戸とも呼ばれ、弘法大師伝説として千葉県指定の民俗文化財だそうです。少しなめてみたのですが、甘い塩味でした♪

Photo_9

里見八犬伝で有名な山下定兼の城 山下城

神余小学校の北側にある山を城山といい、平安時代の保元物語や鎌倉時代の吾妻鏡に登場する金丸氏の居城跡と考えられているそうです。頂上は高さ1mほどの土塁に囲まれ、明治40年頃まではその内部にさらに高さ2m、方8mの土塁があったといいます。

Photo_10

自性院

室町時代に家臣山下定兼の反逆にあって自殺した金丸景貞のために立てられたお寺で、もとは地蔵畑というところにあって、景貞が葬られたという「お腹やぐら」の近くに建っていた。現在の場所に出てきたのは江戸時代のこと。大正12年の関東大震災で潰れた3つの寺を合併したそうです。

Photo_20   

平安時代中頃の阿弥陀如来の木像と来迎寺の本尊だった阿弥陀如来像の体内にあった鎌倉時代の水晶の五輪塔も市の指定文化財だそうです。

お腹やぐら

ここは元自性院だったところで、金丸景貞はここで切腹自殺したそうです。

Photo_13

地蔵畑岩屋・地蔵やぐら

室町時代、このやぐらに自性坊という僧が住んでいた頃、山下定兼に追われた金丸景貞はここで自殺、自性坊はこのやぐらに景貞を埋葬したようです。数年後金丸家で近くに堂を建て、自性坊にその菩堤を弔ってもらい、それが自性院の始まりだそうです。
 ところが江戸時代の元禄16年、大地震が発生して房総地方は大被害を受けました。この地震で自性院も倒れ、現在地へ移転したそうです。
ここには、石地蔵が2体祀られていて、立像の裏側にはこんな文章が刻んであったそうsearch

 「神余村の地蔵畑には昔から地蔵尊が祀られていました。元禄16年11月21日夜の地震で、祀られていたやぐらが倒れてしまい、本尊は木像なので自性院へ還しました。代わりにこの石地蔵尊を建てておきます」

ほぉ~、繋がった。なるほどflair

Photo_14

これだけの文章ですが、その背景には神余区の数々の歴史が含み語られているのですsign03

ここから、里見八犬伝はどうやらはじまりのようです。

里見八犬伝 「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」

小さな里山集落に2つも城跡があるって凄くないですか?
たくさんの歴史の宝が埋もれている場所のようです。(一度ではわからないかも?)

感動したのが、ガイドの中屋勝義さん含め神余の方は、今回行った場所になんと、200回位通っているらしく、墓石を持ち帰り、拭いて、裏に彫られている墓石文字と昔の異体文字で書かれた資料を解読し、次世代に歴史を伝える大変な努力をしておられるそうです。

ガイドの中屋勝義さんは、ここからさらに奥深くお話をされておりました。

現在も目下調査中に付き、今後が楽しみですshine乞うご期待sign01

さて、小さいとはいえアップダウンがある里山を歩き、お腹がペコペコに空いてきました。いよいよ念願のランチタイムですhappy01

Photo_15

地元のお母さんたちが作ってくれたメニューは神余産野菜の絶品ラインナップnote

  • 神余野菜がふんだんに入った具沢山豚汁(寒かったのでシビれました)
  • 神余野菜達の煮物(これが程よい甘さで本当美味しい)
  • 黒豆、ごぼう、人参の煮物(色とりどりでキレイ)
  • 大根のなます干し柿入り(柿がとっても良いアクセント)
  • ゴウヤの佃煮(意外、ゴウヤ、佃煮もいける!夏のゴウヤを冷凍保存したそう)
  • 菜の花、ごま、紅生姜のご飯(館山といえば菜の花、綺麗な緑!この組み合わせ抜群)
  • お新香(たくさん種類があり、どれも絶品)
  • 獅子が焼印されたどら焼き(お腹一杯だったので帰りの道中にいただき大満足)
Food2 Food1

お母さんたちの料理どれも美味しくて、クオリティが高く、本当に感動しました。
量が多かったから最初は諏訪部さんと心配をしていたのですが、なんてことなく2人ともペロっと間食。幸せ過ぎる!
なんと、ずうずうしい私は、他のテーブルの残り物を自らいただきお持ち帰りしてしまいました。

どうしたら、あんな煮物が作れるのだろうか?あの味をものにしたい!
次回、ツアー内容に料理教室もあったらなぁと思いました。
ご馳走様でした!!

美味しい食事が終わった後、参加者が挨拶をしました。皆さん神余の歴史、自然、文化そして人がとても好きなようです。そうなのです!よそ者の私も感じました。何と言っても温かいのですこの地域の方々。

そうして感動した後、宴もたけなわと思いきや、熱いこの方たち
次は反省会に突入。。
30年続いている「和田花嫁街道ハイキングガイドの庄司さん」を囲んで

長きに渡り、続けていらっしゃる花嫁街道ハイキングのノウハウを聞き、その経験を踏まえ、神余区も今後、エコウォークの発展をしていきたいという地域の方々の熱い会議が繰り広げられました。

地元の人々の熱意が伝わり、考え深いものがあり勉強させられる貴重な体験の一日でした。

エコウォークの本番は春になりそうです。歴史好きの方、里山好きの方、食いしん坊の方、 ターゲットが多い贅沢なエコウォークになりそうです。

この神余にはこの地で採れた農産物や加工品を売る直売所があります。エコウォーク+直売所。 楽しみですね!

2012年1月 5日 (木)

はじめての由布院

エコウォーク主催者の大分県由布院ユクリエ 恒吉美智子さんから新年のご挨拶をいただきました。
以下、ご紹介させていただきますnote

=====================================================================

あけましておめでとうございます。

今年は暖冬のようで、例年に比べると雪が少なく、嬉しいような、寂しいような・・・。
皆様の地域ではいかがでしょうか。

まち歩きプログラムも始まっています!!

Main_image_20111005164117_2

由布院では、降る雪のほとんどに雪の結晶を見ることができます。じっくり観察すると自然の美しい世界にぐっと引き込まれます。

エコウォークでは、途中、ルーペで雪の結晶を観察しながら、
湯布院産・柚子の温かい飲み物もご用意しております。

冬ならではのエコウォークを楽しみましょう!!

由布院温泉を初めて訪れたお客様に、ぜひとも最初に感じてほしい由布院の魅力をツアーにまとめました。
気軽に参加できる「まち歩き」です。
もちろん、初めてじゃないお客様も参加OKです。

何もないようで、何かある・・・そんな由布院の魅力は温泉?自然?それとも食?ガイドが一緒に歩いて、由布院の自然や暮らし、まちの魅力について解説します。
知らないと入りにくい、けれども由布院ならではの美術館や工房等もちょっとのぞいてみましょう!「自分だけのお気に入りの由布院」を見つけられるかもしれません。

コース内容についてはコチラ

第2回エコツアーガイド養成講習会in大分県佐伯市

スイス・ツェルマットでの観光局やNPO法人等での経験、世界各地でのプログラム・ツアーの実施経験を活かし、「世界のトップレベルの観光ノウハウを各地に広めるカリスマ」山田桂一郎氏を始め、(写真下)

Yamada1thumb300x225

この道のプロフェッショナルな講師陣が再度、大分県佐伯市に大集結いたします。
ガイディングスキルだけに留まらず、事業者として必要なリスクマネージメントからマーケティングまでかなりの知識が期待できます。エコツアーガイド養成講習会は、単なる自然解説手法の習得にとどまりません。地域の自然、歴史、文化など固有の資源を生かした接続可能な観光による地域振興・エコツーリズムの基礎から、地域活性化に必要なノウハウを網羅的に学ぶことができるプログラムをご用意しているそうです。
(写真下:第1回エコツアーガイド養成講習会in佐伯市の様子)

応募締め切りは、まもなく1月13日(金)定員になり次第、終了になりますので、お早めに!

開催概要についてはコチラ

スノーシューDEひだからエコウォーク 冬の日高を満喫

エコウォーク初!スノーシューでエコウォークです。
(写真下スノーシュー)

De_2

沙流川温泉「ひだか高原荘」でスノーシューをつけて、出発。ガイドの案内で、日本一の清流「沙流川」に沿って歩きながら、霧氷や動物の足跡を観察します。

Photo_10

Photo_12

また展望台に、戦前、鉱山水力発電所の痕跡が?なぜ鉱山があったのか。日高の特異な
地質についても学び、自然と産業、人びとの暮らしが繋がっていることを感じられるそうです。

Photo_13

Photo_15

Photo_14

また、子どもの冬の遊びの定番「尻滑り」。
ダンボールと米袋でつくった特製ソリで滑ってみましょう。

Photo_18

森を散策して、

Photo_19

大木の根元に寝転がって静寂の中で冬の日高の自然を体感し、
冬ならではの幻想的な世界を堪能しながら自然と調和して、心から癒されそうです。

Photo_17

最後は、芯から冷えた体をポカポカに温める沙流川温泉へspa

みなさん、ぜひご参加くださいsnow

コース内容についてはコチラ

2012年、新年のご挨拶

新年、明けましておめでとうございますsun
本年もどうぞよろしくお願いします。

はじめまして、エコウォーク事務局新メンバーに加わりました。
NPO法人ビーグッドカフェ事務局分室の磯山と申します。

NPO法人ビーグッドカフェ取り組み

年末から年始がまたあっという間に過ぎていきましたがみなさまにおかれましてはどのようなお正月だったでしょうか?
それぞれの人が、それぞれの思いで新たな一歩を踏み出したことでしょう。
私自身といたしましては、今年は「変化」を楽しめる年にしたいと思っております。
エコウォークのツアーに実際に参加して、みなさまと共に歩き、見て、触れて、その土地の素晴らしさを感じてみたいです。
どこかのツアーでみなさまにお会いできるのを心より楽しみにしておりますnote

みなさまにとりまして、平成24年が良い一年となります事を、祈念いたしております。

今年もエコウォーク事務局は「エコウォーク」を通じて、幸せな地域経済づくりのオープンソースにすることを目指します。

あらためまして、エコウォーク事業とは、地域振興・観光振興の為に「エコウォークプログラム」を作り、JECOが提供する「エコウォーク公式サイトシステム」を使い事業をすることです。「エコウォークプログラム」とは、地域の資源であり「宝」=自然、歴史、生活(文化)をガイドさんが地域内外の人に伝え、その地ならではの「心豊かな体験」を提供するガイドウォークツアーです。
JECOが提供する「エコウォーク公式サイトシステム」のエコウォーク事業運営サポート、広報等の機能をご利用いただくことで、恒常的にエコウォーク事業を行い、広報することにより、皆様の地域を「好きになる人々」を常に開拓することができ、リピーター化を実現し、エコウォーク事業を地域で事業化することで、更なる地域振興・観光振興が可能です。
JECOは全国のエコウォークファンを集団化していき、各地のエコウォーク開催地域の情報を提供、全国へエコウォークファンが「動く」プログラムを展開していきます。
新たな出会いによる繋がりが地域活性化のためになるよう、一緒に取り組みませんか?

2011年12月29日 (木)

東北復興エコウォーク 「acureなイイコトキャンペーン(冬)」実施中

2011年10月 4日 (火)に事務局ブログでもご紹介しました
東北復興エコウォーク 「acureなイイコトキャンペーン」
~地域を活かした1000年の誇りを探し、未来を拓くプロジェクト、地域の宝を活かした東北復興エコウォーク~

株式会社JR東日本ウオータービジネスが展開するエキナカ飲料自販機「acure(アキュア)」では、買ったその場で参加できる「イイコト」で、東北を元気にする「acureなイイコトキャンペーン」を2011年度秋期に引き続き、2011年12月26日から冬期のキャンペーンを実施しています。

Acure_3

「acureなイイコトキャンペーン」は【東北応援】をテーマとした【プレゼント+ドネーション(寄付)】キャンペーンです。プレゼントは抽選で魅力ある東北の逸品があたり、1本あたり1円が東北の魅力を復興する2つの活動に寄付され、そのひとつが「東北でエコウォーク」です。

「acureなイイコトキャンペーン」の詳細はキャンペーンサイトへ

地域の宝を活かした「エコツーリズムによる震災復興支援の実証的研究―岩手県宮古市における研究1000年の絆を紡ぐ 宝探し調査」は、日本エコツーリズム協会の海津理事、真板理事、橋本理事らが中心となり、日本観光研究学会の特別研究として「エコツーリズムは震災復興に何ができるか」をテーマにエコウォークを実施する計画です。
詳細につきましては、2011年12月27日 (火)に事務局ブログでご紹介した下記の内容をご覧ください。

改めまして、今回復興支援エコウォークにご協力くださる、株式会社JR東日本ウォータービジネス様に、日本エコウォーク環境貢献推進機構一同、感謝申し上げます。

2011年12月27日 (火)

エコツーリズムによる震災復興支援の実証的研究―岩手県宮古市における研究1000年の絆を紡ぐ 宝探し調査

先月の10月21日(金)~23日(日)に開催され、事務局ブログでも紹介しました「全国エコツーリズム大会 in 岩手にのへ」。

このエコツーリズム大会において「エコツーリズムは震災復興に何ができるか」をテーマの一つに据えた総括報告が行われました。その中で報告された、日本エコツーリズム協会の海津理事、真板理事、橋本理事らが中心となり、日本観光研究学会の特別研究として実施している岩手県宮古市の「エコツーリズムによる震災復興支援の実証的研究―岩手県宮古市における研究1000年の絆を紡ぐ 宝探し調査」についてご紹介します。

この調査は、三陸復興国立公園の中心ともなる宮古市の自然・生活文化・生業・技術等の宝の掘り起こしを行い、そこから宮古市の新しい交流型ビジネスを 展望しようというものです。今年度中に結果をとりまとめ、来年度は季節ごとの暦や地図を作成し、地域の方々と共に、宮古市を体験できるプログラムづくりへと展開していきます。その手法としてエコウォークを実施する計画です。

なかでも、国指定重要無形文化財・黒森神楽はエコウォークのコースの目玉になっていくようです。神楽衆は黒森神社の 神霊を移した「権現様」を携え、岩手県沿岸部の集落を廻ります。神楽衆に出会い、権現様を拝んだら、権現舞を観賞することもできるでしょう。

Kuromori

貞観地震始め、過去に三度の大地震と津波に会いながらも、地域の人々が立ち上がり復興のエネルギーとしてきた地域の宝は、被災から復興へと、地域の人々が再び活力を取り戻すための絆として、精神的な支えとなるでしょう。このプロジェクトがその役割を果たすことを目指しています。

株式会社JR東日本ウォータービジネス様の協力で来年度実施予定の、<地域の宝を活かした宮古復興 「エコウォーク」>に向けて、研究チームは活動を続けていきます。

2011年12月26日 (月)

岐阜県飛騨市 山之村エコツアー 1日目

今回のエコウォークは、“飛騨娘”「山之村地域がんばり隊」須藤彩子さんからの11月に行われた岐阜県飛騨 山之村のレポートpencil

里山のばあちゃんに学ぶ~「何もない冬」に隠された豊かな恵みの正体は~ シリーズ

をご紹介しますnote

=====================================================================

みなさま、初めまして。こんにちは。
今夏に東京から山之村へ引っ越し、今では“飛騨娘”の仲間入りをさせて頂きました「山之村地域がんばり隊」須藤彩子(写真下)です。

Photo_39

2_2

(左は山之村がんばり隊として私と一緒に働いている都築さんです)

今回は、住民を代表いたしまして2012年2月のエコウォークに向けて行われた11月のエコツアー第1弾を紹介させて頂きます♪

11月19日。飛騨市神岡町から、天に続く急カーブ連続の山道を運転すること約30分。
標高1000mの、心がほっとする日本の原風景が残る里山にて「里山のばあちゃんに学ぶ」シリーズ第1弾が開催されました。

その名も「地図にない村“山之村”」。日本の里100選にも選ばれ、今年はあのACのCMで注目を集めた山之村ですが、
ゆったりとした等身大の生き方が魅力の村です。
さて、「里山のばあちゃんに学ぶ」は、通年通してのプログラム構成となっており、四季の移り変わりと共に暮らす山之村のライフスタイルの素晴らしさを感じて頂くシリーズツアーです。

ツアー概要はこちら

第一回目をみなさんと、もう一度足跡をたどっていきたいと思います。

Photo_2


まず、7集落ある山之村地域の中でも面積・軒数が最も大きい森茂地区の散策からスタートしました。北アルプスに囲まれた大自然の恵みをうけ、水が豊かな山之村。歩いてすぐに、人家の流しに面白いものを発見。な、なんと「水をだしっぱなしにしておくこと」?!!
(写真で見づらいですが、水色のテープのところにそう書いてあるのです!)

Photo_8


谷水があちこちに流れており、止めてしまうと泥などがつまってしまう等の理由から、わざと流れっぱなしになっているのです。
(昔は、詰まってお風呂の水に泥が多く混じっていた事もしばしばだったようです。)
野菜の泥を落としたり、夏はビールなどの飲み物を冷やしたり・・・このように、浄水を使わず、谷水の恵みだけで生活している集落が山之村に4つあります。東京から来た者からすれば、考えられない・・・ですよね?

散策の途中で、秋の冬支度の一つである「大根活け」を体験。
昔から冷蔵庫代わりに家の近くの地面を掘り、「活け」ます。土の温かさと雪の冷たさをうまく利用して大根を保存するのです。(白菜は、水気が多い為腐るので、基本的には大根だけ埋めるます。)

穴に藁を丁寧に敷き、50本近くの大根を埋めたところで土をかけます。最後に藁の帽子をかぶせているのは、水はけをよくする為でシートのような役割があるからです。
雪が深く降っても埋めた場所がわかるように、横に棒を立てておく事も忘れずに!大根の本数や埋める穴の大きさは、家庭によって異なりますが、多いところでは一つの穴に100本以上活けるようです。
それを、80歳になったばあちゃんが一人で行っているのには驚き!です。
そう、山之村にはスーパーばあちゃんがあちこちにいらっしゃるのです。

Photo_10

Photo_11

さて、ここ山之村では、昭和30年代までほぼすべての家が茅葺屋根だったと言います。しかし、茅葺の手入れができる職人が減ってしまったということや、維持費がかかるなど多くの面で状況が変わり、現在3軒しか残っていません。時代の流れで、守るべき大切なものを失っていく現実が多くあります。

ちなみに、山之村の茅葺屋根は同じ岐阜県にある白川郷の合掌造りと異なり、入母屋づくりといってもっとも格式が高いつくりです。(法隆寺の金堂も同じつくりだとか!)

Photo_12

散策後は、森茂公民館にて大根で保存食づくりです。
(愛知県から引っ越してきた同じく「がんばり隊」の都築朋恵さんがガイドです。)
山之村の高地環境で育ったかぶらと大根を使って3種の漬物を地元のばあちゃん(といっても山之村のばあちゃんはみんな若くみえる!)に教えて頂きました。

大根の糠漬け、大根の薄切り、そしてかぶらの酢づけ。
糠漬けの甘味には、砂糖ではなく、「自然の甘味を生かす」為、果物の皮(柿やみかん、りんご)を使います。
薄切りは、2週間ほど干した大根を使うことで食感を楽しめるように、かぶらの酢漬けは切り方に工夫が垣間見られます。

糠漬け以外の漬物は、それぞれビンに詰めてお持ち帰りできるようにしました。ツアー数日後、お客様から「美味しくてあっという間になくなったので、教えてもらったレシピを家で早速試しました!」という声が届き、私達はもちろん、ばあちゃんも生きがいを感じ、大喜びでした。

Photo_13

さてさて、半日のツアー後のお楽しみは、ばあちゃん達の愛情たっぷりディナーです。

全て山之村産の材料を使った、これぞ地消地産メニュー!
猪汁も山之村のハンターがとった猪。ここの猪は、どんぐりを食べて育っており、一般の猪よりも質が高く、ハンターの清水弘さんは「イベリコ猪」と呼んでいます。

Photo_14

Photo_15

右上は、私達がんばり隊が勝手に「セクシー大根」と呼んでいる変わった格好の大根です。
山之村の大根にますます愛着が沸いてきませんか?


2011年12月22日 (木)

岐阜県飛騨市 山之村エコツアー 2日目

続きまして、 山之村地域がんばり隊 須藤彩子さんの2日目のレポートをご紹介します。

==========================================

みなさんが待ちに待った「わらび粉づくり」。
まずは、地元の方が手作りで作って下さった紙芝居をもとに、わらび粉がどんなもので、どれだけ手間がかかるかイメージします。和菓子づくりのプロの方でも、本物のわらび粉の根を初めて見たと驚いた様子。さあ、これからが実践です!

Photo_16

Photo_28

「わらび粉打ち」
木槌でたたくこと、3分。はじめは、勢いよく「日頃のストレス解消~!」と言いながら行っていましたが、参加者も想像していた以上に大変な作業だったようで、地元の集まってきた子供たちにも助けてもらいながら叩いていました。

Photo_29
 
「とりあげ」
黒かったわらびの根が白くなりでんぷんが出てきたところで、それを水につけてかき混ぜます。そうすることで、根についているでんぷんが分離。ちなみに、「船」を呼ばれるこの箱も、山之村の住民の手づくりです。

Photo_19

「たれ船作業」~「かし桶作業」
でんぷんが出たところで、今度は大きなゴミを取り除くため、すだれ等を使ってこします。
でんぷんが沈殿した後、最後に布袋でこします。沈殿を待っている間は、中井旅館の女将さん手作りの“なつめ”を頂きながら、指導をして下さったスーパーばあちゃんの一人、下林ばあちゃんに昔の生活やワラビ粉人生の話をお聞きしました。

Photo_36

Photo_37

Photo_38

わらび粉づくり後は、お待ちかねの山之村自慢味わいたっぷりのお昼ご飯です!
地元有志「すずしろの会」のばあちゃん達が、お客様が喜ぶ顔を思い浮かべながら自分達で考え、一品一品手でこしらえた料理です。地元の方も混じりごちそうを頂きながら、心通う交流、涙を流して語る方もあり思いれを感じる場面もありました。それぞれの立場でそれぞれの想いを持って「ワラビ粉づくり」という目的で集まり、まさに「一期一会」。

来年は、山焼きから行いワラビ粉の質を上げて将来は商品化も考えたいという住民の方と、何らかの形で力を貸して関わりたいという参加者の声が聞け、地域や立場を越えてこうした活動が更に深く、広く繋がっていけると感じたツアーでした。

Photo_31

Photo_32

そして来年いよいよシリーズ2弾を開催致します!

2012年2月に行われるエコウォークにて、「里山のばあちゃんに学ぶ~凍みつく冬に心温まる山之村のおもてなしとは?~」と題して、山之村の冬ならではの伝統ある暮らしを体験頂ける1泊2日のツアーをご用意しております。

真冬でしか見られないスノーダイヤモンドが輝く山之村にて、みなさんとお会いできる事を住民一同楽しみにしております!

※ツアー内容の詳細は、来年ECOWALKウェブサイトにてご紹介予定です。

 

2011年12月11日 (日)

日高のひだからエコウォーク<後編> 日高開拓民の心を支えた四国八十八・西国三十三札所巡り

12月4日、ひだからエコウォーク歴史コースを体験してきました。

原生林や原野を切り開き田畑を作り上げきた開拓民が日高地域に入ってきて100数年だそうです。

エコウォークの前日、千栄(ちさか)地区で北海道大学・宮内泰介教授のゼミの学生による高齢者の方の聞き取り調査を見学しました。 貴重な昭和29年、37年当時の市街案内図(広告入り!)を見ながら、林業、鉱業などで盛んだったかつての日高の生活を伺いました。木材工場で10代から働いていた80歳のおばあちゃんは「男性よりお給料がよかったのよ!」と誇らしげに語っていたのが印象的でした。高齢者から活きた実体験が聞ける「日高のひだから」のヒント。よい取組ですねflair

Photo_9

「日高開拓民の心を支えた四国八十八・西国三十三札所巡り」へ。

ガイドのみなさんは住民の方々です。ひだからガイド講座講師の鳥羽晃一さん(日本山岳ガイド協会公認登山ガイド)の指導を昨年の9月から受けてきました。ガイドの衣装、すてきでしょ?住民の方たちで考えた日高の町民ルック?です。

Img_6607Img_6660

最初に行ったのは「郷土資料館」です。 ここで日高の歴史を教えていただきました。資料館の展示品はすべて住民からの寄贈品だそうです。農機具や生活品が保存状態もよく大切に展示されていました。開拓民の大変だった暮らしから林業、鉱業で豊かだった町の歴史をガイドさんが身内の方の話を交えながら説明してくださいました。

かつての繁華街、飲み屋さんがたくさんあった通りを抜けて閑山寺へ。明治時代、開拓促進のために神社や寺が 多く作られたそうです。それは、開拓民の心のよりどころが、出身地に由来する神社や寺だったから、国策として、その建立費を北海道庁(当時は開拓使)が補助したのです。この補助で建てられたのがこの閑山寺です。そして地域の発展には教育が不可欠です。最初は開拓民が私財で学校を開設しましたが資金難で閉鎖後に村が学校を開設しました。戦後、この寺に季節保育所が開設され住職夫妻がその保育にあたり、(村)立保育所が開設されるときもその敷地を無償で貸していたそうです。子供たちは地域の宝、これは今と変わりませんね。

そして始めてみる光景へ。 西国三十三札所巡りの石仏です。つらい開拓に心を支えたのは信仰だったそうです。檀家さんが寄進した西国三十三札所分の石仏。それぞれに寄進した住民のお名前が書かれていました。

Img_6666

そして、 四国八十八札所巡りの石仏もあるのです(真言寺)。参加者全員で八十八体の仏様をお参りしました。それぞれが違う姿をしている石仏。かつては森の中にあったものを、お寺の境内に移したそうです。

日高にある西国三十三札所巡りと四国八十八札所巡り。北海道に開拓で入った人たちはなかなか故郷へ戻れなかったのでしょう。それぞれの石仏のお顔を拝んでいると、石仏を寄進し拝み心を支えた開拓民の人たちの心に触れたような気がしました。

真言寺では、とても不思議な樹仏も。この中に仏様がいるそうです。国内でも大きい樹仏。珍しいですね。

Img_6730

最後に行ったのは浄教寺。ここには戦前、教育勅語等または教育勅語と御真影(天皇と皇后の写真))を収めた建物「奉安殿」があります。元々日高小学校にあったそうでなぜ移設されたかは定かではないそうですが、戦後、廃止解体されることが多かった奉安殿を守ろうとしたのかもしれませんね。教育を大事にしてきた日高の方たちだからでしょうか。全国的に奉安殿が残っているのは珍しいそうです。

Imgp4375

ひだからガイドのみなさん。 まだ慣れていないところもありましたが、ご自分の言葉でわかりやすく説明をしていらっしゃいました。かなり練習をつんでいると思います。おかあさんたち、すごい!地元の人と歩かなきゃ見えてこない景色が必ずあります。

Img_6692

Imgp4374

とても贅沢な体験をさせていただいた雪の一日でした。

Imgp4366

雪の中、一日参加してくださった北海道大学のみなさん、ありがとうございました!

お土産にいただいた記念のしおりです。大切にします!

(裏の写真は季節ごとに変わります)

Photo_10